著者
大足 恭平
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.208, pp.23-25, 2008-09-09

ウィキペディア日本語版は,日本語によるインターネット上の情報源としてはもとより,参考図書的な扱いによる「百科事典」としても無視できないものとなっている.「誰でも自由に書ける」「フリーな」百科事典として紹介され,社会に一定の影響力をもつに至っている.しかし,ウィキペディアがいかなる理念のもとに運営され,また形成されてきているのかについては,多く知られているわけではない.本稿ではウィキペディア日本語版における知の形成のあり方を,理念と現実の面から振り返り,そのうえで社会的知との関わりを論ずる.