- 著者
-
大野 圭一朗
- 出版者
- 社団法人 可視化情報学会
- 雑誌
- 可視化情報学会誌 (ISSN:09164731)
- 巻号頁・発行日
- vol.40, no.156, pp.3-7, 2020 (Released:2021-02-04)
- 参考文献数
- 20
現代の生物学において、遺伝子やタンパク質、薬剤などの分子の大規模な相互作用を可視化することは一般的である。しかし、それらのネットワークを単純なノードリンク図として可視化する場合、いわゆる「毛玉問題」に陥り、可視化の結果から新たな生物学的知見を得ることは困難である。この問題に対処するため、我々はHiViewと呼ばれるウェブベースのネットワーク構造ブラウザを開発した。これは、各種クラスタリングやコミュニティ検出アルゴリズムによるネットワークの階層構造を入力とし、それをサークル・パッキング図として可視化する。利用者は、その可視化をガイドとし、大規模な相互作用を部分構造ごとに閲覧することが可能で、それにより専門家が複雑な生物学的ネットワークを理解することを助ける。また、既知の遺伝子の機能情報などを、外部データベースと接続して表示することも可能で、生物学者向け情報ダッシュボードとしても機能する。