著者
大野 志保
出版者
愛知教育大学健康支援センター
雑誌
Iris health : the bulletin of Center for Campus Health and Environment, Aichi University of Education (ISSN:13472801)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.11-15, 2016

「心の健康」に関する保健調査を実施した。この調査結果が,支援を必要とする生徒を把握できたかどうかを明らかにするために,保健調査と欠席日数,遅刻回数,早退回数及び保健室利用状況との関連を検討した。その結果,数値としてはいずれも無相関に近い値ながらも有意な結果が得られた。1学期実施の学校メンタルヘルス尺度で「抑うつ傾向」の得点と1学期の欠席日数には有意な相関があった。1学期始業式から11月末までの欠席等の指標との関連は,「対人緊張」の得点は遅刻回数と保健室利用とに有意な傾向があった。さらに,「非効力感」の得点は保健室利用に有意な傾向があった。2学期実施の学校メンタルヘルス尺度では,「身体症状」の得点は2学期の遅刻回数と,1学期始業式から11月末までの欠席日数と保健室利用に有意な傾向があった。さらに,「抑うつ傾向」の得点は2学期及び1学期始業式から11月末までの早退回数とに有意な相関があった。