著者
大関 真理
出版者
お茶の水女子大学日本言語文化学研究会
雑誌
言語文化と日本語教育 (ISSN:09174206)
巻号頁・発行日
no.5, pp.23-34, 1993-06-19

本稿は、日本語教育の視点からみた副詞の研究の一環として、日本語教育における効果的な副詞指導を考えることを目的に、教科書調査を行ったものである。日本語学習用初級教科書及び中・上級教科書で扱われている副詞語彙の特徴を、副詞の三分類(情態副詞・程度副詞・陳述副詞)を一つの指標にして明らかにしようとした。そして、教科書で盲点となっている副詞の機能を探り、「まったく」「もう」を例に、談話において重要な役割を果す副詞の存在を示し、辞書や教科書の意味記述との比較検討を行った。