著者
天谷祐子 谷伊織
雑誌
日本教育心理学会第59回総会
巻号頁・発行日
2017-09-27

問題と目的 性格特性5因子モデルは,パーソナリティを包括的に表現するモデルとして多領域で使用されている。しかし5因子の各特徴について不明瞭な部分が依然あり,それらを解明する研究の蓄積が求められている。本研究では,ソーシャルメディアの中でもカスタマイズ可能性を典型的に備えている(北村,2016)ツイッター利用の動機と,ソーシャルメディアに関して社会的に問題視されやすいインターネット依存傾向を取り上げ,これらのインターネットメディア上の対人コミュニケーションのありようを,外向性・協調性をはじめとした性格特性との関連を見ることで明らかにしていく。方 法1.調査協力者:大学生201名(男性114名,女性88名)であった。平均年齢は19.05歳,SDは1.303であった。ツイッター利用者はうち151名であった。2.質問紙の構成:(1)性格特性の5因子尺度:和田(1995)による「外向性」,「神経症傾向」,「経験への開放性」,「勤勉性」,「協調性」の5因子各12項目計60項目。(2)ツイッター利用動機尺度:柏原(2011)による5因子から「交流/自己表現動機」,「既存関係維持動機」,「実況/情報探索動機」の3因子計14項目。(3)インターネット依存傾向尺度:鶴田・山本・野嶋(2014)による高校生向けインターネット依存傾向測定尺度5因子から「メール不安」,「ながら利用」の2因子計14項目。ツイッターのフォロー・フォロアー数,利用頻度も尋ねた。結 果 全ての下位尺度のα係数を算出したところ,ビッグファイブ尺度はα=.805~.916,ツイッター利用動機はα=.745~.866,インターネット依存傾向はα=.657~.876であった。それぞれの内的整合性が確認されたので,各下位尺度間の相関係数を算出した(Table1)。 「ツイッター利用動機」尺度との関連では,「交流動機」「関係維持動機」とビッグファイブ尺度における「外向性」との間に弱い正の相関が見られた。また「インターネット依存傾向」との関連では「メール不安」とビッグファイブ尺度の「神経症傾向」との間に有意な正の,「ながら利用」とビッグファイブ尺度の「勤勉性」との間に有意な負の相関が見られた。さらに,ツイッターのフォロー・フォロアー数と「外向性」との間に有意な正の相関が見られた(順にr=.224,.265,p考 察 本研究では第1に,ツイッター利用動機の交流動機・関係維持動機と,外向性との間に関連が見られた。石川(2011)は,ツイッターは「弱いつながりのSNS」として既知の対人関係との結びつきが弱く,社会的補償仮説(McKenna&Bargh,1998))を支持するものであるとしているが,本研究の結果はむしろその逆で,外向的な人がソーシャルメディア利用によってより社会的関係を強める特徴を持っていることが示された。 第2に,「ながら利用」は勤勉性の低さと関連していたが,神経症傾向とは無関連であった。ツイッターの「交流動機」の間にも正の関連が見られており,周囲の人と交流するためには,ながら利用をせざるを得ない実態があるのかもしれない。