著者
鈴木 憲子 天野 裕理 越智 耕太郎 知久馬 俊幸
出版者
日本イオン交換学会
雑誌
日本イオン交換学会誌 (ISSN:0915860X)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.29-33, 2015 (Released:2015-09-25)
参考文献数
9

建物の除染などによって産出された放射性セシウムを含んだ汚染水の処理に用いることを念頭に,バーミキュライトのセシウム吸着挙動について検討をした。バーミキュライトは熱処理によって膨張し表面積を広げることができるが,層間水の消失および層構造の破壊で吸着能が低下もしくは喪失してしまうことが分かった。そこで熱処理をしないバーミキュライトについて粒子の大きさに注目をして吸着実験を行い,ある大きさまでは粒子径に吸着能が依存しないことを見いだした。加えてカラム法で十分な吸着率を得るためには,流速を下げることが要求されるが,使用するバーミキュライトの量を変えずに分割してカラムに充填し,カラムを連結することで流速の問題を解決することができた。