- 著者
-
佐藤 祐介
太田 嘉英
倉林 宏考
佐々木 剛史
伊澤 和三
山崎 浩史
- 出版者
- 一般社団法人 日本口腔腫瘍学会
- 雑誌
- 日本口腔腫瘍学会誌 (ISSN:09155988)
- 巻号頁・発行日
- vol.22, no.4, pp.149-155, 2010-12-15 (Released:2011-10-20)
- 参考文献数
- 29
今回われわれは,頸動脈間隙の高位に発生した頸部迷走神経鞘腫の1例を報告する。症例は,71歳,女性。咽頭部違和感を主訴として来院した。口腔内所見として,左口蓋咽頭弓に約50×60mm大,無痛性腫瘤を認めた。腫瘤は,CTおよびMRにて左頸動脈間隙を占拠していた。また,腫瘤は総頸動脈および内頸静脈を解離させ,頭蓋底まで及んでいた。われわれは,subcutaneous mandibulotomy approachを用いて切除し得た。病理組織学的診断は,神経鞘腫であった。術後,嚥下障害および嗄声を認めたが,リハビリテーションを行い,経口摂取可能な状態まで改善した。術後,約2年経過した現在,再発は認めていない。