著者
宮田 久嗣 室田 尚哉 吉田 拓真 太田 純平
出版者
東京慈恵会医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

本研究は、覚醒剤などの薬物と、ギャンブルなどの行動(薬物によらない)のアディクション(依存)が、疾病として同じものであるのかを、病態学的、神経学的、治療薬の観点から検討する。まず、アディクションの中核症状である欲求が、①一次性強化効果、②離脱症状の不快感、③環境刺激の二次性強化効果獲得の三要素から考えた場合、②の離脱症状、③の環境刺激の二次性強化獲得、さらには、欲求にともなう衝動性では、病態、神経学的機序、治療薬の観点で共通点がみられた。しかし、欲求の基本要素である一次性強化効果では、薬物に比較して行動では、それ自体独立して検出しにくく、生体側の影響を受けやすい点で違いがみられた。