著者
太田 綾 原田 宗忠
出版者
愛知教育大学教育臨床総合センター
雑誌
愛知教育大学教育臨床総合センター紀要 (ISSN:21860475)
巻号頁・発行日
no.8, pp.[26]-[35], 2019-03

本研究では,教員志望学生において大学入学後の特別支援に関する経験,特別支援に対する認知的複雑性,援助要請スタイルが特別な支援を必要とする児童生徒の指導場面時の対処行動に関係する要因を場面想定法を用いた質問紙調査により検討した。その結果,設定した全ての指導場面において援助要請自立傾向から問題解決志向への正の影響,援助経験から問題解決に向けた対処行動への正の影響がみられた。一方で,援助要請過剰傾向は,気になる児童生徒への指導場面と緊急な対応を求められる児童生徒・対応が困難な児童生徒の指導場面とでは,対処行動に異なる影響がみられる等, 指導場面によって対処行動に関係する要因が異なることが示唆された。