著者
奥 裕介
出版者
岩手医科大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

癌遺伝子産物YAP/TAZの機能を阻害する化合物として、フルバスタチン、ダサチニブ、パゾパニブを同定した。これらは、Hippo経路を活性化し、YAP/TAZの核移行を阻害した。乳がんと大腸がん細胞株におけるこれらの薬剤に対する感受性は、YAP/TAZの依存性とよく相関していた。これら3種の医薬品のコンビネーションによって、効率よくMDA-MB-231乳がん細胞の増殖を抑制することができた。更に、これら3つの薬剤は、古典的な抗癌剤との併用により相乗的にMDA-MB-231細胞株の増殖を抑制した。以上の結果は、これらの薬剤がYAP/TAZ依存性の乳がんに対して有効であることを示唆している。