著者
奥山 七郎 梶野 洋一 佐藤 謙
出版者
北日本病害虫研究会
雑誌
北日本病害虫研究会報 (ISSN:0368623X)
巻号頁・発行日
vol.1988, no.39, pp.9-12, 1988-11-10 (Released:2011-08-11)
参考文献数
7

1987年6月下旬~7月中旬にかけてアワヨトウ第1世代幼虫が, 渡島, 桧山, 後志, 留萌及び宗谷支庁管内の日本海沿岸地域を中心に, 全道広域的に異常多発し, イネ科牧草, ムギ類, とうもろこし及び一部水稲に甚大な被害を与えた。その大きな原因は大量の成虫群が飛来侵入したことに起因するが, 成虫の飛来時期は誘殺状況と気象推移などから判断して, 6月5日~7日頃にあったものと想定される。一方, 成虫の侵入期が牧草の一番草の刈り取り時期であったことが, 産卵活動及び増殖に好適し, また, 第1世代幼虫の発注期が少雨で, 比較的好天が持続したため, 幼虫の発育及び生存率が高まって, 大規模な異常多発にむすびついたと考えられる。