著者
那須野 薫 奥山 晶二郎 中西 鏡子 松尾 豊
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.56, no.10, pp.2044-2053, 2015-10-15

近年,Twitterのデータを用いて選挙結果の予測を試みる研究の報告が活発である.本研究では,選挙結果を高い精度で予測するモデルの構築を目指し,社会学で古くから選挙当落の重要な要素の1つとされてきた選挙地盤を定量的に測定,指標化し,この指標を用いることで既存手法の拡張を試みる.選挙地盤に関する指標は選挙地盤のリーチ,バラエティ,ロイヤルティという3つの指標を提案する.選挙運動へのインターネットの利用が初めて解禁された2013年の参議院議員選挙を対象とした評価実験の結果,本研究で提案した3つの選挙地盤に関する指標は選挙結果の予測に有効であることが示された.また,本研究で用いた手法は既存手法と比較してF値が約70%高く,選挙運動へのTwitterの活用は選挙結果に小さいものの影響があることが示唆された.