著者
木部 佳延 奥村 和史
出版者
一般社団法人 日本接着学会
雑誌
日本接着学会誌 (ISSN:09164812)
巻号頁・発行日
vol.52, no.9, pp.271-275, 2016-09-01 (Released:2018-07-03)
参考文献数
8

種々のポリカーボネート系ポリオールを原料とするポリウレタンを合成した。1,6-ヘキサンジオールポリカーボネート系ポリウレタンは100%モジュラスが高く,高硬度であったのに対し,3-メチル-1,5ペンタンジオールポリカーボネート系ポリウレタンは低モジュラスで柔らかく,その引張強さは低かった。1,10-デカンジオールポリカーボネート系ポリウレタンは低モジュラスで,高引張強さを示した。半経験的分子軌道法(PM6)の計算より見積もった分子鎖間の相互作用による安定化効果は,1,10-デカンジオールポリカーボネート系>1,6-ヘキサンジオールポリカーボネート系>3-メチル1,5-ペンタンジオールポリカーボネート系の順であった。ウレタン結合間の水素結合が強いポリウレタンほどその引張強さが高いと考えられる。