著者
奥田 裕樹 福田 洋治 白石 善明 井口 信和
雑誌
研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC) (ISSN:21888655)
巻号頁・発行日
vol.2017-CSEC-78, no.16, pp.1-6, 2017-07-07

本研究では,端末にマルウェアを送る主要な手段の 1 つであるドライブ ・ パイ ・ ダウンロード攻撃 (DBD 攻撃) を含むインシデントを想定し,マルウェアの感染と活動の調査を支援するシステムを開発する.本システムは,インシデント発生時の通信パケットの記録から DBD 攻撃に関連する悪性 Web サイトへのリクエストとそのレスポンス,Web クライアントの動作を再現する.悪性 Web サイトは作られてから姿を消すまでの期間が短く,端末に設置されたマルウェアが活動後に消失,または攻撃者が痕跡を消去 ・ 攪乱すると,事後の調査が困難になる.インシデント対応の初動や調査の場面で本システムを用いることで DBD 攻撃によるマルウェア感染の過程が再現できる.これをインシデントが観測 ・ 記録できる環境で実施することでマルウェア感染の過程と活動の痕跡の収集と記録を支援する.