- 著者
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奥西 麻衣子
- 出版者
- 公益社団法人 日本語教育学会
- 雑誌
- 日本語教育 (ISSN:03894037)
- 巻号頁・発行日
- vol.172, pp.134-148, 2019 (Released:2021-04-26)
- 参考文献数
- 25
本稿では,留学生と同級生の日本語母語話者との雑談を二回にわたって観察し,留学生のスタイル使用および普通体の運用がどのように変化していくのかを,言語社会化 (Schieffelin & Ochs, 1986) の観点から分析し,考察した。結果,来日直後の留学生の発話にはスタイルの混用が散見されたが,2か月後はほぼ一貫して普通体を用いるようになっていた。普通体の使用傾向においては,普通体の様々な対話機能を用いて会話を行う様子が観察された。このことから,目標言語コミュニティの熟達者 (同級生の日本語母語話者) との日常的な相互行為実践が学習者のバリエーション習得に影響を与えていることが示唆された。