- 著者
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姜 美香
- 出版者
- 四天王寺大学大学
- 雑誌
- 四天王寺大学大学院研究論集
- 巻号頁・発行日
- no.11, pp.93-113, 2017-03-20
ベトナムにおける介護分野の技能実習生確保への取り組みに向けてベトナム・ハノイにおける送り出し機関4 か所を対象に現地訪問ヒアリング調査を行った。その結果、日本語教育内容及び日本語レベルについては、最低1 カ月から最大6 カ月までのベトナム人講師による日本語教育を実施しており、教育方法はテキストやDVD を使用していた。技術的な教育は、経済連携協定( EPA )による送り出し機関としての経験を持つ場合には、機関内に実習室を設けていたが、小規模の送り出し機関の場合には日本語教育のみを機関内で実施、技術的な教育は外部機関へ委託していた。学生の9 割以上が今後日本への外国人介護労働者としての受け入れを希望しており、高卒の学生が一番多かった。この学生たちの主な目的は出稼ぎであり、送り出し機関側も今後介護分野における外国人技能実習生の送り出しができることを強く希望していた。しかし、ベトナムにおいてはまだ「介護」の概念が根付いてないため、介護の仕事といっても看病人をイメージする場合が多く、今後介護分野での外国人技能実習生が活躍するためには介護に関する概論などの基礎的知識の修得だけでなく日本の介護現場での実習も必要不可欠であることが明らかになった。