著者
宇次原 雅之 関 晴夫 若井 明彦 畠中 優 江口 喜彦 中野 亮
出版者
公益社団法人 日本地すべり学会
雑誌
日本地すべり学会誌 (ISSN:13483986)
巻号頁・発行日
vol.51, no.6, pp.221-232, 2014 (Released:2015-07-30)
参考文献数
17

コンクリート・モルタル吹付工(以下,吹付工)は,のり面保護工として古くより多用されており,現在その老朽化が問題となっている。効率よく維持管理を行うためには,吹付工が適用されたのり面の劣化機構を明らかにし,精度のよい健全度評価や劣化予測を行うことが重要となる。本研究は,これまでに蓄積されてきた維持修繕に関する記録をもとに,吹付のり面の劣化機構を明らかにして,今後,維持管理を行っていく上で有用となる基礎資料を得ることを目的として実施した。吹付のり面の劣化機構は地質や気候条件などにより異なるため,本研究では,群馬県内の中古生層分布地域における道路吹付のり面に研究対象を絞った。その結果をもとに,対象地域の吹付のり面の劣化機構を模式的に示し,劣化予測を含む効率的な維持管理への応用方法について検討を行った。