- 著者
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大石 孝雄
丸野 弘幸
川井田 博
坂本 薫
宇治野 裕
- 出版者
- 日本動物遺伝育種学会
- 雑誌
- 動物遺伝研究会誌 (ISSN:09194371)
- 巻号頁・発行日
- vol.21, no.2, pp.70-74, 1993
鹿児島県畜産試験場に導入された NIH ミニブタ10頭から血液を採取、血液型と蛋白質型を調査した。調査した20座位のうち、NIHミニブタは12座位で多型を示した。他のミニブタ (オーミニ、クラウンミニ、ゲッチンゲン、ピッッマンムーア) と比較すると、A, H, K, LおよびPa座位で特徴がみられた。遺伝子頻度を基に遺伝的異性を示す4指標値 (H.I., H, P poly, Ne) を算出したところ、NIHミニブタはミニブタ5系統の中でオーミニとクラウンミニより変異性が大きく、ゲッチンゲンおよびピッツマンムーアと同等の変異性であった。NIHミニブタとこれまでに調査した17豚品種との間でRogersおよびNeiの式に基づく遺伝的距離を計算したところ、NIHミニブタは中国系品種とは明らかに遠い距離を示し、欧米系品種ともそれほど近くはなかったが、そのうちランドレース、ハンプシャー、ピッツマンムーアとは比較的近い距離であった。18豚集団の遺伝的類縁関係を示す枝分かれ図を作成したところ、NIHミニブタは欧米系品種のグループに属し、その中では他のものと最も離れる位置を占めていた。