著者
横山 亮 中島 大成 津久田 享三 宇津 典明 宮越 一穂
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.43, no.11, pp.1484-1487, 2011 (Released:2013-02-05)
参考文献数
7
被引用文献数
1

症例は51歳, 男性. 2009年7月ころより安静時, 労作時に胸部圧迫感を認めたため, 当院循環器内科受診. 運動負荷心電図施行中, 胸部症状を認めたため, 試験を中止し, ニトログリセリンを舌下投与したが, 下壁誘導にてST上昇と症状の持続を認めたため, 緊急冠動脈造影検査を施行. 器質的冠動脈狭窄は認めず, 運動誘発性冠攣縮性狭心症と診断した. 入院後, 冠拡張薬内服し安静時, 運動時とも症状は出現しなくなったため, 退院となった. 労作性狭心症の鑑別診断の1つとして留意すべき疾患であると考えられた.