著者
牧野 恵奈 牧野 弘之 宇都宮 千鶴 名和 良晃
出版者
公益社団法人 日本視能訓練士協会
雑誌
Japanese orthoptic journal (ISSN:03875172)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.141-146, 2007-10-31
参考文献数
19

老視矯正法の一つであるモノビジョン法の視覚への影響を知るために、遠近両用コンタクトレンズ装用者12名に対し優位眼遠見重視モノビジョン法、優位眼近見重視モノビジョン法を行い、立体視機能の測定、患者満足度調査を行い分析した。<br>患者満足度調査におけるアンケートの結果、調査8項目の合計スコアの平均値はモノビジョン優位眼遠見重視法では20.5、モノビジョン優位眼近見重視法では23.0であった。また、スコアのピークはモノビジョン優位眼遠見重視法では20.95、モノビジョン優位眼近見重視法では23.33であった。遠近両用HCL適正モノビジョン法を優位眼近見重視法で行うと患者満足度ポイントが12.2%高い評価が得られその有用性が高いことが分かった。また、優位眼を近見に合わせた場合も満足が得られ、立体視機能は61.7(sec:平均)であった。ただし、今回の2方法のモノビジョン法を行った12名の内91.7%のHCL装用者は、近見重視の生活を送っていた。<br>更に、CSQ-8J(Client Satisfaction Questionnaire)-8J)のα係数は、優位眼遠見重視法においては0.80、優位眼近見重視法においては0.93、CSQ-8Jの信頼性は満足できた。