著者
宇都木 望 阿部 眞理
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究作品集 (ISSN:13418475)
巻号頁・発行日
vol.12, no.12, pp.98-101, 2007-03-30
被引用文献数
2

現在の普及型車いすは、冷たく地味であるといったイメージをもたれている。また、座面、背面かシート状になっているため、乗車している人の姿勢を崩すといった機能面での欠点も有している。そこで、本研究では、木材や紙材等の自然素材を主材料とし、感触や乗車時の姿勢の保持といった要素に配慮しながら、小回りの利く家庭用の車いすを提案した。使用した素材は、ブナ、キリ、コルクといった木材、紙材、フエルト材で、部材ごとに使い分けた。乗車時の姿勢の保持については、座面および背面を固定型とすることで解決し、さらに、家庭用といった用途にあわせ、狭いスペースでも小回りが利くよう車いすを改良した。自然素材を多用し、一般家庭内でも走行しやすい工夫を施した人にやさしい車いすの提案である。