著者
松田 泰治 大塚 久哲 池田 征司 宇野 州彦
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.801, pp.801_51-801_68, 2005 (Released:2006-05-19)
参考文献数
15

1999年に発生した台湾集集地震により, 我国では例の無い送電鉄塔の地震被害が発生した. 本研究では, まず超高圧送電鉄塔に関する最新の被害調査結果をまとめた. 次に, 架渉線-連成系の影響を簡易に考慮した鉄塔の単体モデルを提案した. 更に, 台湾で最大の345kV鉄塔で唯一完全倒壊した#203鉄塔が片継脚鉄塔であることに着目し, 地震時の振動により倒壊した可能性を解析的に検討した. その結果, 付近で観測された地震波を入力した場合, #203鉄塔は脚部に全体座屈が発生する可能性が高いとの知見が得られた. 最後に, #203鉄塔の復旧時において基礎形式がつなぎばり基礎に変更されたことを受けて, 基礎の不同沈下時の鉄塔の耐震性向上策として, つなぎばり基礎の有効性を示した.