著者
宇野 広樹
出版者
地理空間学会
雑誌
地理空間 (ISSN:18829872)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.51-65, 2021 (Released:2021-12-31)
参考文献数
35

本研究は,全国展開をしているビジネスホテルチェーン16社を対象にして,時空間的に出店戦略をパターン化・モデル化し,それぞれの特性を明らかにすることを目的とした。まず都市階層については,全体的に都市部への出店が多いが,地方小都市への出店が多いホテルも数社見られた。次に駅との距離については,多くのホテルが駅との近さが立地への重要な要因となっているが,地方型のホテルは駅から遠い結果となった。その一方で駐車場の多さに関しては,駅との距離と対比する結果となった。さらに役場との距離については,特異なホテルが数社見られた。そして全国展開パターンについては「ドミナントエリア拡大型」「都市階層型」「その他」の三つに大別された。これらを総括すると,「大都市指向駅近接型」,「都市分散駅近接型」,「都市分散CBD近接型」,「地方指向車主体型」の四つに類型化され,ホテルの経営形態がハード・ソフトともに多様化している現状が明確になった。