著者
宇野 文夫
出版者
新見公立大学
雑誌
新見公立大学紀要 (ISSN:21858489)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.69-72, 2012

2009 年のインフルエンザパンデミックでは,地方都市に設置された短期大学においても,2009 年11 月下旬から12 月上旬および2010 年1 月中旬から下旬にかけての2波の流行的な患者発生が認められ,学生の累積罹患率は少なくとも14%であった(宇野文夫:新見公立大学紀要 31, 29-33, 2010)。そこで,このたびパンデミック終息後の状況を把握することを目的として,パンデミック間期における大学のインフルエンザ流行状況を調査することを試みた。その結果,2011/2012 流行シーズンにおいて,当時395 人の学生のうち,14 人の顕性発症者が報告され,累積罹患率は3.5%であった。発症者の第1 例は1 月10 日であり,発症者はクラスターを形成し,その後2 月20 日ごろに終息した。学生の出席停止期間の中央値は4 日間(範囲:3 日~6日)であった。
著者
宇野 文夫
出版者
新見公立大学
雑誌
新見公立大学紀要 (ISSN:21858489)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.29-33, 2010

2009年には,1968年以来41年ぶりとなるブタインフルエンザウイルス由来株による新型インフルエンザのパンデミックが発生した。地方都市に設置された学生数397人の短期大学においても,その影響を免れることはできず,2009年11月下旬から12月上旬および2010年1月中旬から下旬にかけての2波の流行的な患者発生が認められた。患者数の合計は少なくとも学生57人(累積罹患率14%),職員1人であった。流行制圧には,発症者の登校・出勤の停止に加えて,クラスの臨時閉鎖(休講措置)と実技演習を伴う個人予防対策の周知が,それぞれ効果的であることが示唆された。 In 2009, the emerging of the new antigenic strain of influenza A virus (H1N1), which was a swine origin, caused the first pandemic since 1968 (Dawood, FS et al.: N Engl J Med 361, 1-10, 2009). The outbreak affected students of a college in a small town of western Japan. Of 397 students, at least 57 infected cases were reported from November 1, 2009 to February 8, 2010 and the cumulative morbidity was 14%. During the period, two clusters were identified. The first one was detected from the late of November to the early of December, 2009 and another was from the middle to the late of January, 2010. The effectiveness of class suspension and personal hygiene measures for the infection control was also discussed.