著者
安原 由美子
出版者
つくば国際大学東風小学校
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2012

「研究の目的」4年生の説明文の読解学習に、学習者が自らの学びをメタ認知し、<鉛筆対話>を取り入れ学習者同士が学び合う授業を行った。そのことにより、学習者は教材に向き合い筆者とかたり合うことで批判的な読みを行い読解力が育成されることがわかった。そこで、低学年においても読解活動に<鉛筆対話>を取り入れることの有効性について実践研究を行う。「研究の方法」「書く」ことに抵抗がなくなってきたと思われる2年生を対象に研究を行った。5月の初期段階と2月に自身の担当学級と大阪とで行い比較検討を行った。その間も説明文学習においては、<鉛筆対話>を取り入れた実践を継続する。また、<鉛筆対話>を取り入れない指導も行い比較検討する。「研究の成果」2学年においても、「思い」を交流し合うことはできる。単に(わかったこと)を交流し合うのではなく、(わからないこと)も出し合うようにした。友だちとの考えの違いに気付かせるための方法としては有効である。また、説明文の読み取りの手順を意識化させることにより「説明文の書き方」に目が向くようになってきた。学年末には、「筆者の書き方の上手なところ」を発見し、自分の書き方に取り入れようとする様子も見られた。(こんなことも書いてほしいなあ・なんで書いていないのかなあ)などという教材文に対して積極的に関わるようになってきた。しかし、低学年の場合は「思考」が拡散する傾向があるため時間を制限し、指導者として学習者同士が話し合う論点を明確に示す必要がある。私立と公立の児童に大きな違いはないが、「書きなれている」という点では、私立の児童の方が量的に多く書ける傾向がある。今回茨城の指導者に説明文指導についてのアンケートを行った。前回の大阪・秋国と比較しても「説明文の指導法」に変化がなく、指導者として「力のつく」指導法を模索する姿が見えた。学年の発達段階にそった<鉛筆対話>を取り入れた実践を開発していきたい。