著者
安田 元樹 田中 文英
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.4O2OS3b01, 2018 (Released:2018-07-30)

社会的相互作用において人が無意識に他者のしぐさや癖、振る舞いを模倣し、また模倣された人は模倣した人に対して良印象や好感を持つことをカメレオン効果と呼ぶ。先行研究において、相手の発話をそのまま繰り返し発話する模倣によって、被模倣者に好印象を与えるカメレオン効果が得られたと報告されている。しかし、このような言語模倣が常に好印象を与えるとは限らないと我々は考える。また、この常に好印象につながるとは限らない模倣要素について調査された研究はない。 そこで本研究は、常に好印象につながるとは限らないと予想される模倣要素を調査することを目的とする。本稿では口癖に着目して、話者の発話をそのまま繰り返して模倣するロボットを模倣条件、話者の発話をそのまま繰り返して模倣しながら話者の口癖を強調するロボットを強調模倣条件とし、この2つの条件間のロボットに対して話者が抱いた印象の違いを調査した。 結果として模倣条件と強調模倣条件に有意な差は見られなかったが、口癖の強調は好印象につながらない可能性が示唆された。