著者
安田二朗
出版者
医薬ジャーナル社
巻号頁・発行日
pp.33-40, 2013-07-25

ウイルス性出血熱はウイルス感染が原因で引き起こされる疾患で,初期症状はインフルエンザ様であるが,病態が進行すると,出血(皮下,粘膜,臓器),多臓器不全などを呈するきわめて致死性の高い疾患である。これまでに4つのウイルス科に属する15種類以上のウイルスが原因ウイルスとして同定されている。ほとんどのウイルス性出血熱には有効なワクチンや治療法はなく,代表例である,エボラ出血熱,マールブルグ病,ラッサ熱,南米出血熱,クリミア・コンゴ出血熱はわが国の法律で一類感染症に指定されている。本稿ではこれら5つのウイルス性出血熱を中心に概説する。