著者
阿部 竜大 安藤 達哉
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.76, no.6, pp.e130-e134, 2023 (Released:2023-06-07)
参考文献数
20

乳牛における子宮捻転の病態と母体予後との関係を明らかにするため,乳牛139例の子宮捻転を対象に調査を行った.子宮捻転の病態を産次数,捻転度数及び捻転方向に分類し,各々の母体予後を比較すると同時に,捻転整復方法の違いによる母体の予後との関係も比較した.この結果,未経産牛と比較して経産牛で死亡率が高い傾向が明らかとなり,死亡牛の方が治癒牛と比較して有意に産次数が高かった.さらに捻転度数が360°以上で有意に死亡率は高くなり,捻転方向や整復方法では死亡率に有意差は認められなかった.