著者
安藤 里美
出版者
日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.1-5, 1992-03-30

特殊学級に在籍している自閉症児T君のコミュニケーション能力および普通学級の先生や児童との交流を促進する目的で、毎朝、コミュニケーションカードを用いて普通学級で「欠席調べ」を行うという係活動の実践を行った。この活動の効果は、各学級での「欠席調べ」の遂行の変化と、個別に各普通学級担任がT君に本を読ませるという「音読テスト」の場面で検討された。効果測定では、直接の行動観察の他に、第三者による印象評定が用いられ、それぞれ「欠席調べ」による効果が確認された。また、他の日常場面でも、T君と普通学級担任ならびに児童との交流の変化がみられ、当実践はT君のコミュニケーション能力と交流の促進のために有効なプログラムのひとつであったと言えよう。