著者
加納 寛子 安達 欣也
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会研究報告集 (ISSN:24363286)
巻号頁・発行日
vol.2022, no.1, pp.78-83, 2022-05-25 (Released:2022-05-25)

本稿では,AIロボットとの共生に対する児童の意識を明らかにすることを目的とした.性差に着目し分析した結果,AIロボットがいることへの期待として,性別×AIロボットとの共生に対する児童の意識に関する項目について分散分析を実施した結果,「友達と遊んでいる時」「朝の目覚めの時」「食事中」「腹を立てているとき(怒り)」の項目については,男子児童はAIロボットがいることへの期待の高いことが分かった.また,「朝の目覚め」「勉強中」「友達と遊んでいる時」「うれしいとき(喜び)」「哀しいとき(哀しみ)」「楽しいとき(楽しみ)」については,性差に関係なく高い値を示しており,AIロボットが遊び相手の友達のようにそばにいることを期待していることがわかった.一方で,一緒に仕事をしたりする相手としてのAIロボットへの期待は低いことが分かった.これらのことから,遊び相手としてのAIロボットには期待しているが,いっしょに仕事をするなど対等な立場の仲間としてはあまり期待していないことが推察された.