著者
安達 泰盛
出版者
佛教大学
雑誌
佛教大学大学院紀要. 教育学研究科篇 (ISSN:18833993)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.55-72, 2009-03-01

現在の民間機関での犯罪被害者支援の主な担い手はボランティアとなっている。しかし、犯罪被害者支援の研究の中でそのボランティアに着目した研究はまだ見られない。本論文では、ボランティア参加者の語りに着目し彼らが活動を通してどのようなことを感じているか、その体験の意味づけがどのように変容しているかという点に注目し、その流れを明確化させることを目的とした。ある犯罪被害当事者の会の主催する集会にボランティアとして参加した人を対象としインタビューを実施し、データとした。データの整理はKJ法を参考した。整理の結果、参加者の語りの内容は、参加前、参加している間、参加後、現在、得たもの、その他という6つの段階に分かれることが明らかになった。6つの各段階において参加者の態度変容を詳細に図示し、その結果から見えた参加者の態度の変容について考察を加えた。