著者
安部 泰弘 中島 一樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス
巻号頁・発行日
vol.97, no.525, pp.95-102, 1998-01-31
参考文献数
12

自律神経活動と運動能力の関係を調べるために、2名の被験者に月曜日から木曜日まで自転車エルゴメータによるトレーニングを9週間与え、毎週金曜日にランプ負荷実験を行なった。そして運動負荷時および回復時の心拍数-呼吸数の関係と自律神経活動の変化を解析した。比較のため運動者7名と一般者7名のランプ負荷実験も行った。%RR50はトレーニングにより10%より大きな数値を回復時に長時間持続するようになった。回復時前半に見られたHF/LFのピークはトレーニングとともに減少した。また運動負荷時後半のピークはトレーニングとともに半値幅を狭めた。心拍数-呼吸数の関係において、トレーニング開始前の被験者2名および一般者7名中5名は時計回りのヒステリシスを示し (9名中7名)、9週間のトレーニング後の被験者2名および運動者7名中5名は反時計回りのヒステリシスを示した (9名中7名)。トレーニングを行った2名の自律神経活動と運動能力は、一般者のものから運動者のそれへと変化した。