著者
岩切 宗利 宗石 和久
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会誌 (ISSN:02859831)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.534-542, 2014-09-30 (Released:2015-11-06)
参考文献数
24

劇場や映画館などで盗撮された映像コンテンツ再配布は,著作者等の利権を侵害するものとして大きな社会問題になっている.その対策である電子透かし技術は,電子的な著作物の著作権を証明するために検討されてきた.電子透かしは,著作権の存在を示す手段として有効であるが,盗撮者の特定には利用できない.本論文は,劇場や映画館などで盗撮され,不正に配布されている映像から,盗撮者の撮像位置を推定する技術とその評価結果を示したものである.提案方式は,映像から得た空間座標既知の特徴点を用いて,盗撮者の撮像位置を推定する手法である.本方式に関する評価結果は,提案方式により盗撮位置を正確に推定できることを示した.盗撮位置推定の可能性は,個人特定を恐れる不正者にとって脅威であり,盗撮行為の抑止にも有用と考える.