著者
藤本 由美子 大桑 麻由美 酒井 透江 浦井 珠恵 青木 未来 定塚 佳子 丸谷 晃子 松本 勝
出版者
看護理工学会
雑誌
看護理工学会誌 (ISSN:21884323)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.109-117, 2016-07-25 (Released:2018-02-28)
参考文献数
22

非侵襲的陽圧換気療法(non-invasive positive pressure ventilation:NPPV)のマスクによる圧迫創傷の関連要因を導くことを目的に健康成人に非換気でNPPVマスク装着の条件を整えて繰り返し装着し,皮膚の変化を詳細に観察し分類した.方法は9名の対象者に対して2種類のマスクを2回以上装着した.研究者1名がマスク固定の絞め方を統一しすべての調査内容の観察を行った.皮膚変化が2回同じようにみられた場合をマスクによる皮膚変化とし,顔の形状および対象者の主観との関係を分析した.その結果,頬や額はマスクの形状に一致した定形の皮膚変化がみられたが,鼻はマスクの形状と一致しない特徴的な不定形な形状がみられた.また鼻はマスクのずれ感を伴い,マスクサイズの不一致やマスク自体の変形が皮膚変化の形状に影響していることが考えられた.NPPVマスクの圧迫創傷の要因はケア要因のみではなくデバイスの評価や適性使用のアセスメントも重要であることが示唆された.