- 著者
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宮下 雅年
- 出版者
- 北海道大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2010
北原白秋の『フレップ・トリップ』(1928)の樺太イメージは、以後の樺太観光に道筋を付けた。本作における風物・風習・異民族の記述が島民の郷土の誇りに直結していった。戦後、その生まれ故郷は奪われてしまうが、だからこそ、望郷の念は募り、今もサハリン観光と言えば帰郷ツアーが中心である。そこにあるのはもはや白秋の「樺太」ではなく、往時の日常生活への思慕である。サハリン州政府も観光の好影響を重視して様々な対応を開始した。