著者
宮原 洋八 竹下 寿郎
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.155-159, 2004-06-20
被引用文献数
4

この研究の目的は地域在住高齢者を対象に健康寿命と運動能力の関連を調査し,日常生活活動低下の因子を明らかにすることである。奄美大島の笠利町(総人口は6900人)に居住する60歳以上90歳未満の在宅高齢者2578人を,(1)性別(男,女),(2)年齢(60〜69歳,70〜79歳,80〜89歳),(3)居住地域(8集落)の3要因により15%順化抽出し,地域代表性のある386人を対象とした。そのうち日常生活が自立していた323名(男性113名,女性210名,年齢60歳から89歳)を対象に,ベースライン測定時の運動能力(握力,長座作前屈,閉眼片足立ち,10m最大歩行速度)により,3年後の日常生活活動における自立,非自立状態をどの程度予測できるかを検討した。測定された運動能力はすべて年齢と有意な負の相関を示した。日常生活の自立率は,年代が上がるにつれて減少し,3年間の追跡により日常生活活動の低下に関する要因を分析した結果,握力,10m最大歩行速度と関連があった。
著者
宮原 洋八
出版者
日本ヘルスプロモーション理学療法学会
雑誌
ヘルスプロモーション理学療法研究 (ISSN:21863741)
巻号頁・発行日
vol.2, no.4, pp.159-162, 2013 (Released:2013-05-24)
参考文献数
10

目的:地域高齢者の初期調査時の歩行時間が,5年後の要介護度との関連を検討することを目的とした。方法:2007年A市保健センターにおいて健康診断を受けた60歳以上の住民のうち,男女211名を対象に,要介護度と歩行時間の調査・測定を行った。その内,自立者158名を対象に5年度の要介護度を調査した。結果:追跡時の各転帰における歩行時間(2007年時)の比較では,自立群より要介護3・4・5群が有意に増加した。またROC 分析では,要介護度のAUC(area under the curve)は高い値を示した(0.79)。結論:歩行時間は要介護度について評価が可能であることが示唆された。