著者
宮原 益次
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.1965, no.4, pp.11-19, 1965-12-25 (Released:2009-12-17)
参考文献数
35
被引用文献数
2 1
著者
芝山 秀次郎 江口 末馬 宮原 益次
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.112-115, 1976-10-25

福岡・佐賀両県にわたる筑後川下流域水田地帯の1,682 カ所の地点において,クリーク内に生育する水生雑草の種類および種数の調査を行った。クリークに見いだされた雑草は合計34種であり,それらの内,現地で雑草害が問題となっているのは,主としてホテイアオイ,キシュウスズメノヒエ,キシュウスズメノヒエ亜種およびオオフサモの4種であった。また,各調査地点に見いだされる雑草種数は比較的少なく,平均1.9種であった。
著者
渡辺 寛明 宮原 益次 芝山 秀次郎
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.153-161, 1991-09-02
被引用文献数
4

水稲稚苗移植栽培におけるイヌホタルイの生育および種子生産量をイヌホタルイの出芽時期と発生密度との関係で検討し、以下の結果を得た。(1)水田裸地区では、6月18日に出芽したイヌホタルイの実生個体は、9,700粒/個体の種子を生産した。これより遅く出芽した個体ほど、個体の生育量の低下とともに種子生産量が減少し、7月16日に出芽した実生個体では個体当たり3,000粒以上の種子がつくられた。 (2)水稲畦問区では、水稲移植直後の6月18日に出芽した実生個体は100粒/個体程度の種子を生産したが、水稲移植後18日目に当たる7月2日に出芽した実生個体では着穂・開花に至らない個体がみられ、開花した個体も大部分の種子が未熟のまま水稲収穫期を迎えた。さらに水稲移植後1ヵ月以上たって出芽したイヌホタルイの実生個体はほとんど種子生産がみられなかった。 (3)越冬株から萌芽した個体は実生個体に比べて初期生育が旺盛なために、水稲畦問区でも1,500粒の種子を生産し、水田裸地区で萌芽した場合は17,000粒もの種子を生産した。 (4)水稲を作付した場合、イヌホタルイの単位面積当たりの種子生産量は発生本数がm^2当たり1,000本で65,000粒程度であったが、発生密度が1,000本/m^2を越えると生育途中の死滅により、残存本数および種子生産量は少なくなった。 (5)種子から出芽した実生個体と越冬株から萌芽した個体、あるいは水田裸地区で生育した個体と水稲畦間区で生育した個体とでは個体の生育量は大きく異なっていたが、いずれも個体当たりの種子生産量は個体の茎葉部生育量と密接な関係にあった。
著者
渡辺 寛明 宮原 益次 芝山 秀次郎
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.362-371, 1991-12-26
被引用文献数
9

イヌホタルイの種子が多量に散布された水田土壌中から4年間にわたって種子を採取して、発芽試験法によって休眠の検定を行い、土壌中における種子の生存状態の推移を検討した。 1)種子の発芽は密栓水中およびペトリ皿内湛水土壌を発芽床とした場合に良好であり、湿潤濾紙上および開放水中は休眠を検定するための発芽床としては不適当であった。 2)水田土壌中から採取した種子は15℃から30℃までの恒温条件で発芽したが、20℃以下では採取時期によって発芽率および平均発芽日数が大きく異なった。10℃では全く発芽しなかった。 3)秋耕によって土壌中に埋没した自然落下種子の大部分は、翌年の3月までに休眠が覚醒したが、無秋耕で4月まで水田の土壌表面におかれた種子は休眠覚醒が遅れた。 4)代かき後の発生数は10cmの土壌層の生存種子数の約8%であり、大部分の種子は未発芽のまま湛水土壌中で二次休眠に入った。二次休眠種子も落水後、冬から春にかけて徐々に休眠が覚醒し、その後休眠の導入と覚醒を毎年季節的に繰り返した。 5)水田土壌中の生存種子数は毎年前年の種子数の約30%ずつ減少し、4年後の生存種子数は初年目の約35%であった。生存種子数の減少率と実際の発生数から、水田土壌中では20%程度の種子が毎年発芽前あるいは発芽後に土壌中で死滅しているものと考えられた。