著者
安藤 公彦 宮坂 秋津 稲葉 竹俊
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE)
巻号頁・発行日
vol.2013-CE-118, no.16, pp.1-7, 2013-02-01

近年、コンピュータ支援学習の研究分野において、協調学習でのグループ編成・グループ内のメンバーの役割・学習活動の流れ・手順などをシナリオ化した、協調スクリプトの研究が注目されてきている。協調スクリプトは、学習者自身にゆだねられた自発的活動のみでは、しばしば支障をきたす可能性のある協調学習のプロセスの強力な外的支援として、その有効性を報告している研究が多い。本研究では、相互教授法をデザイン指針とする 「相互問題作成協調スクリプト」 を提案し、提案スクリプトを大規模教室で実行可能とするための協調学習システムを構築する。本システムの特徴として、スクリプト開始時点でログインしている学習者の特性からグループ分けを行う機能と、インタラクションの属性を指定するインターフェースを備えたグループ内チャット機能が挙げられる。最終的には、 500 人程度のクラスにおいて実験を行い、スクリプトのどのフェーズでどのようなインタラクションが行われたのかを明らかにすることを目指す。