著者
宮崎 剛亜
出版者
静岡大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2019-04-01

N結合型糖鎖はタンパク質の翻訳後修飾の一つであり、ヒトなどの真核生物においてあらゆる生理機能や疾患などに関与する極めて重要な役割を果たしている。医療用の糖タンパク質の生産方法として昆虫細胞やカイコ虫体を用いた発現系が検討されているが、昆虫のN結合型糖鎖の構造はヒトのそれとは異なる点が大きな問題となっている。一方で、昆虫にはヒト型糖鎖生合成に必須な酵素と類似するタンパク質の遺伝子をゲノム中に有しているが、それらの機能や構造はほとんど解明されていない。本研究では、これら昆虫の機能未知酵素群の構造や機能を明らかにし、これらを利用したヒト型糖鎖の合成や新規機能性糖質を創出することを目的とする。