著者
橋本 雄太 宮川 真弥
雑誌
じんもんこん2018論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.237-242, 2018-11-24

歴史文献史料を構造化されたデータとして扱うためには,何らかの機械処理可能なマークアップ言語を用いて翻刻文を記述することが望ましい.加えて人文学研究者やクラウドソーシング参加者が利用するためには,そのような言語は簡潔かつ可読性の高い文法で記述される必要がある.そこで,古文書や古記録,古典籍といった日本語文献史料を記述するための軽量マークアップ言語を開発した.この言語の文法を形式文法のひとつである解析表現文法によって定義し,また縦書き入力やシンタックスハイライトに対応したオンラインエディタを開発した.このような入力負荷の低いマークアップ言語が普及することで,クラウドソーシングによる史料翻刻や,文献史料のデータベース化が効率的に進むことが期待される.