著者
磯部 [シュウ]三 狛 豊 宮木 末雄
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会技術報告
巻号頁・発行日
vol.7, no.35, pp.27-32, 1983

1983年6月11日のインドネシア・ジャワ島での日食時に, 太陽外層コロナの観測を気球を使って行った.この観測により, 太陽周辺に微粒子の密度が高いリング状の構造が存在していることを明らかにした.日食という短時間の現象をしかも空の明るさが刻々変化する中での微弱光の観測であるので, 技術的にむつかしい面が多かった.そのため, 二次元で高感度しかも比較的時間分解能のよいSIT受光器を用いた.多量のデータを上空30kmの気球上で採取し, その一部を地上に送信し, 大部分のデータをビデオ・コーダーに記録した.これらのデータを地上で再生して, 十分に雑音レベルの低い像を得る事ができた.そして, 太陽のまわりに存在する微粒子の輪という天文学的に意義のある結果を得ることができた.