著者
宮本 康嗣 黒岩 中 岡田 秀親 古川 達雄
出版者
The Japan Society for Oriental Medicine
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.25-30, 1987-07-20 (Released:2010-03-12)
参考文献数
23

強い咳と痰を伴った急性気管支炎の患者に対する清肺湯の投与により, 症状の改善が認められた。清肺湯の投与前には, 患者の末梢血白血球の活性酸素化学発光は異常亢進を示した。この活性酸素化学発光の異常亢進は, 5週間の清肺湯の内服により正常化した。さらに in vitro の実験系においても清肺湯は, その添加によりオプソニン化ザイモザン刺激時のヒト白血球における活性酸素化学発光, および抗原刺激時の感作モルモット肺組織からのSRS-A遊離を用量依存的に抑制した。これらの結果は, 清肺湯が一部ではSRS-ロイコトリエンのようなケミカルメディエーターの生成をコントロールすることにより気管支炎の症状の改善に寄与しうるものと考えられる。