著者
西田 修三 中辻 啓二 宮本 豊尚 清水 隆夫 坂井 伸一 松山 昌史 坪野 考樹
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
海岸工学論文集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.1441-1445, 2005

大阪湾奥部においてDBF海洋レーダーを用いた流況観測を実施し, 収集されたデータを基にレーダーの特性を明らかにするとともに, 沿岸域の表層流動構造に及ぼす出水や風の影響について解析を行った. また, 台風時の観測データを用いて, レーダーによる波浪情報の推定についても, その適用性を検討した. その結果, 日スケールの流況には出水や風の影響が現れるが, 15日間の残差流には, 吹送流の影響はほとんど見られなかった. また, 台風接近時のレーダーのスペクトルデータを用いて海上風や波高の推定を行ったところ良好な結果が得られた. しかし, 風速5m/s以下ではS/N比の低下により波浪情報の抽出は困難となり, 20m/s以上では計測レンジの低減が生じることが明らかとなった.