著者
橘内 勇 小野沢 敏弘 山下 泉 鈴木 伸治 宮津 誠 井上 秀美
出版者
社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
リハビリテーション医学 (ISSN:0034351X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.82-84, 1986-03-18 (Released:2009-10-28)
参考文献数
4

変形性膝関節症(以下膝OA)患者および健常中高齢者に対し,膝伸展筋力増大を図る目的で同一方法による等運動性筋力訓練を行い,以下の結果を得た.1)4週間の訓練により最大膝伸展筋力は,健常成年男子は平均4.63kg・m,女子3.19kg・mの増加をみたが,老年女性では0.93kg・m,膝OA女性では0.50kg・mの微増にとどまった.2)老年女性および膝OA女性グループでは,3週以降はむしろ減少傾向が認められた.3)高齢者および膝OA例の筋力増強は,筋肥大によるものより神経性因子によるものが大きいと考えられる.4)筋機能の評価には最大収縮力だけでなく,持久力あるいは神経制御機能を含めた方法が必要となる.
著者
山下 泉 宮津 誠 宮武 泰正 小野沢 敏弘
出版者
社団法人日本リハビリテーション医学会
雑誌
リハビリテーション医学 : 日本リハビリテーション医学会誌 (ISSN:0034351X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.267-270, 1988-07-18
被引用文献数
3

旭川医大式膝装具は内側型変形性膝関節症に対して処方される。今回処方後5年以上経過した40例50膝のうち, 死亡の5例, 行方不明の6例を除く29例37膝の長期成績を調査した(フォローアップ率82.9%)。処方時年齢は平均63.6歳。変形性膝関節症の病期分類ではIV期以上の重症例が19膝を占めていた。経過観察期間は5〜9年, 平均6年6か月であった。また処方後平均1年5か月の前回調査結果と比較した.装具装着率では前回調査23例31膝(83.8%)と高かったが, 今回調査では11例16膝(43.2%)に低下していた。装具使用群では, 除痛効果は保たれているが高齢化による歩行能力の低下が認められた。病期の重症度と成績との間に関連は認められなかった。