著者
橘内 勇 大塚 吉則
出版者
北海道大学大学院教育学研究院
雑誌
北海道大学大学院教育学研究院紀要 (ISSN:18821669)
巻号頁・発行日
vol.104, pp.205-211, 2008-03-31

“猫背”と呼ばれる不良姿勢は,腰や背中にかけての鈍痛をもたらす腰痛症,頚・肩凝りを主訴とする頚肩腕痛の原因となり,小・中学生の若年者から高齢者まで幅広い年代を悩ませる要因となっている。とくに近年,運動不足や不良姿勢が原因とみられる子供の肩凝りの報告も多い。今回,学童期の影響も関連すると思われる大学生を対象に,不良姿勢を自覚する者の割合やそれに伴う有訴率,各自の対処法についてアンケートを実施した。なお,得られた結果を要約すると下記の通りである。 1.自分の姿勢が悪いと思う男子学生は54%・女子学生は67%であった。 2.腰背部痛を有する男子学生は39%・女子学生は46%であった。 3.頚・肩凝りを有する男子学生は31%・女子学生は40%であった。 これらの結果は,「平成16年国民生活基礎調査の概況」による同年代の有訴率より極めて高いものであった。この背景には,授業中は座位を取り続けなければならない学生の特殊な環境要因も大きいと考えられた。
著者
橘内 勇 小野沢 敏弘 山下 泉 鈴木 伸治 宮津 誠 井上 秀美
出版者
社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
リハビリテーション医学 (ISSN:0034351X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.82-84, 1986-03-18 (Released:2009-10-28)
参考文献数
4

変形性膝関節症(以下膝OA)患者および健常中高齢者に対し,膝伸展筋力増大を図る目的で同一方法による等運動性筋力訓練を行い,以下の結果を得た.1)4週間の訓練により最大膝伸展筋力は,健常成年男子は平均4.63kg・m,女子3.19kg・mの増加をみたが,老年女性では0.93kg・m,膝OA女性では0.50kg・mの微増にとどまった.2)老年女性および膝OA女性グループでは,3週以降はむしろ減少傾向が認められた.3)高齢者および膝OA例の筋力増強は,筋肥大によるものより神経性因子によるものが大きいと考えられる.4)筋機能の評価には最大収縮力だけでなく,持久力あるいは神経制御機能を含めた方法が必要となる.