著者
牧野 壮壱 宮澤 一成 比嘉 花絵 宮田 剛彰 西口 沙也佳 小湊 彩佳 早野 史子
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.207-212, 2023 (Released:2023-10-06)
参考文献数
14

緩和的放射線治療は,適切に施行することで患者のQuality of Life(QOL)向上に寄与する.緩和的放射線治療の有用性の認知は進んできてはいるが,在宅医療機関からの緩和的放射線治療のニーズはまだ満たされていない.在宅療養中の患者が緩和的放射線治療を受けることでQOLが向上することはあるが,画像診断検査を行うことが難しい在宅診療の現場では,緩和的放射線治療の適応を判断することは困難である.また,在宅療養中の患者は全身状態が悪いことが多く,頻回の通院は難しいうえにその移動手段にも制限がある.そのような環境の中,われわれは在宅診療所と協力し,緩和的放射線治療を提供する活動を行ってきたので一部の症例とともに報告する.