著者
宮田 久美子 林 裕子
出版者
看護総合科学研究会
雑誌
看護総合科学研究会誌=Journal of comprehensive nursing research (ISSN:1344381X)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.3-16, 2013-02-28

遷延性意識障害患者の看護介入の目的と内容について文献調査を行った。看護基礎教育の教科書2件と医学中央雑誌Web Ver.5で検索した研究論文91件を対象とし,質的帰納的に分析した。結果:遷延性 意識障害患者への看護介入の目的は【生活援助】,【合併症予防】,【意識障害の回復】,【生活行動の回復】 の4つに大別された。その介入内容は,【生活援助】は[栄養方法の工夫],[日常生活全般の援助]など7項目であった。【合併症予防】は,[口腔内状態の改善],[褥瘡の予防・改善]など5項目であった。 【意識障害の回復】は,[意識レベル改善],[身体刺激の生理的評価]であり,【生活行動の回復】は[筋・ 関節拘縮の改善],[生活行動獲得]であった。論文数の推移から,遷延性意識障害患者の看護の目的は, 【生活援助】から【意識障害の回復】,【生活行動の回復】へ変化の過渡期にあり,その看護介入は開発途上であることが推察された。