著者
宮田 翔吾 勝間田 和輝 春日 貴志 萓野 良樹 井上 浩
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MW, マイクロ波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.323, pp.7-12, 2006-10-19

電子機器からの電磁放射・干渉問題の対策として,筐体で電磁放射を覆う方法がよくとられる.筐体には放熱用やケーブルを通すための開口部が存在するため,そこから不要電磁波が放射し,目的とするシールド効果(減衰効果)が低下する.本研究ではまど(開口部)のある筐体からの放射特性を明らかにすることを目指し,プリント回路基板(PCB)を電磁波放射(ノイズ)源として,PCBを筐体で覆った場合の近傍磁界と遠方電界の周波数特性,減衰効果,そして遠方電界の指向性特性を測定した.実験結果から,筐体の空洞共振によって,減衰効果が著しく劣化していることが確認できた.指向性特性から,PCBを筐体で覆った場合に筐体まどの反対側にも放射されており,近傍磁界と遠方電界の関連性を明らかにするためには近傍磁界を複数の箇所で測定する必要があることがわかった.