著者
宮腰 裕 太田 達郎 咲山 久美子
出版者
日本養豚学会
雑誌
日本養豚研究会誌 (ISSN:03888460)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.192-195, 1986-12-30 (Released:2011-06-08)
参考文献数
10

1腹6頭の子豚 (Landrace×Hampshire) を実験に用い, 2日齢から14日齢までの間に, 寒冷ストレスおよび取扱いのストレスをそれぞれ2回負荷して, 血漿カテコールアミン濃度を測定し, 平常時の値と比較した。実験時の子豚の直腸温, 吸乳量およびヘマトクリット値は日齢に伴う正常な変動を示し, また, 血漿グルコース濃度には与えられたストレスによると思われる変化が認められなかった。7日齢以前のストレス負荷時における血漿中のノルエピネフリン (NE) およびエピネフリン (E) の値は平常よりも高い傾向を示したが, 10日齢以降ではその傾向が明らかではなかった。NE/E比はストレス負荷時の値が平常時よりも有意に高く (P<0.05), また寒冷ストレス時の値が取扱いストレス時の値よりも高かった。以上のことから新生期におけるストレスに対する血中カテコールアミン放出反応が認められ, 特に寒冷ストレスに対してはノルエピネフリン濃度が相対的に高くなることが示された。