- 著者
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宮部 甫
- 出版者
- 公益社団法人 精密工学会
- 雑誌
- 精密機械 (ISSN:03743543)
- 巻号頁・発行日
- vol.23, no.268, pp.259-261, 1957
戦後第4回目のフォトキナIDternationale Photo-undKino-Ausstellung) 即ち国際写真博覧会は昨年9月22日から10月7日まで西独のケルン市で開催され前回の1954年のそれより一層大ぎな規模の下に盛大に行われた。出品は西ドイツの写真工業関係が最大多数を占めているのは当然であるが東ドイツからも出品され其の他十数力国から出品され, 日本からもかなりの出品が見られた。我が国に最も関係深いカメラにのみついて言えば外国出品社20数社の中12社が日本のものであつた。<BR>出品はカメラを始め凡そ写真と映画に関係あるあらゆるものが出され小は写真をはり付ける糊やピンから大は映画館用の映写機は勿論フィルムや印画紙の自動現像仕上げ装置等あらゆるものが : 陳列されていた。其の他種々の写真団体による応募写真も展覧されその中'には日本作家の絵もかなり多く出ていた。<BR>ドイツの工業博覧会としては戦前からライプッィッヒメッセが有名であり現在も催されているが, 戦後写真関係だけ単独にケルン市で1崔されるようになつた.ケルンにはそのための常設の建物があり年中色々な展示会やその他 : こ使用されている。床面積も2万坪近くあり1号館から8号館まであり, その中にぎつしりと出品されているからゆつくり見れば到底1日や2日では見切れない。<BR>フォトキナではドイツはじめ各国よりの出品を展示し世界各地から集まる販売業1でとの取引もそこで行われるのであるから現在生産中製品は勿論近く発売する新製品等も展示されるのであるが, これを機会として新製品の発表をする向も多く, 先年の第3回フォトキナに於いてもライカM<SUB>3</SUB>や, ライトヴアリュ付の新らしいコンバーシャッターを始め数多くの新品が顔を出し業界に大ぎなセンセイションを与えたのである。従つてフォトキナにより写真界の流行が大きく影響される事も否めない事実である。カメラ関係にのみついて言えば今回のフォトキナの傾向は次の通りである。